転院、理事長からの衝撃の一言
転院を決めた先は、知り合いが人工授精で授かったと言っていた新宿のS産婦人科。
名前を伏せる必要はあるのだろうか?
一応、杉山産婦人科です。
この時はまだ、人工授精の可能性に賭けていたんですね。
人工授精で授かる人の8割は、4回目までに成功している。
そうは分かっていても、体外受精にスタップアップするにはまだ早いのではないか?
特にこれといった判断材料も見つかっていないし、まだ30歳だし。
焦りはありつつも、体外受精という超高額の出費には何かと理由をつけて躊躇していました。
紹介状を持参してS産婦人科を訪れると、初診は理事長でした。
恵比寿の時とはちがい、指名制度があるS産婦人科ですが、とりあえずは何もわからないので指名はなしで。
恵比寿のクリニックからの検査結果などをサッと見る理事長。
ファティリティクリニックね。〇〇先生のとこね。などと話しています。
すると、理事長から衝撃の一言が発せられました。
「ご主人の精液検査の結果ね、これね。これじゃ、顕微授精しか無理だよ」
........え?
わたしは耳を疑いました。
数値がいいわけじゃないけれど、問題はないと言われていた夫の検査結果。
その結果が、まさかの顕微授精しか無理な結果だったなんて...
なぜかと聞くと、問題は"正常形態率"にあるとか。
実は、初回の精液検査のときのみ、正常形態率なるものをしらべていたのです。
これは特殊な検査で、なおかつ正常形態率は量や運動率とはちがいそこまで毎回の差異がないため、一度しか検査をしないとか。
その正常形態率が、なんと3%。
奇形精子はそもそも受精できないため、私たちの妊娠できる可能性はかなーり低い。
いや、そりゃフーナーテストの結果が不良なわけだよ!
そもそも正常な精子が少ないんだからよ!
WHOが定める基準は4%とあまり変わらないように思えますが
前のクリニックでの基準値は30%以上とサイトに記載されているし
え、なんで教えてくれへんかったの?
状態。
いや、夫は聞いていたんだと思います。
が、WHO基準をそこまで下回っていないため、まぁ大丈夫とのお印をもらったのでしょうね。
後々夫に聞いたところ、そんなことを指摘された覚えはない、と(覚えてないだけじゃなかろうか)。
ただ、理事長いわく、
年齢とAMHのことを考えると、今顕微授精をしても来年やっても可能性は変わらないよ。
とのこと。
だからとりあえず様子見で人工授精をしようか。
という話になり、5回目の人工授精をすることになりました。
わたしはショックで不妊治療仲間の友達にラインしまくり。
というか、現実を全く受け入れられませんでした。
顕微授精。
すぐネットで調べると、採卵は痛いだの莫大な金がかかるだの、自己注射をしなきゃいけないだの、恐怖心を煽る煽る。
夫もテンパっていて、次は一緒に(クリニック)行く!話聞く!
などと意気込んでいましたが...
いざ当日となると、わたしと先生の会話についていけず一言も質問をできない始末。
何がわからないかわからない授業って、質問もなにもないですもんね。
男性はクリニックに行く機会も少ないし、危機感も湧きにくいと思うけど
自分に原因があるない関わらず、勉強はすべきで
勉強をしないのに、わからないだの勝手に決めるな説明しろだのいうのはナンセンスだと思います。
ただ先生の言うことに対してハイハイ頷くだけの夫を横目に、わたしは期待するのはやめようか、などと考えていました。
いや、いいヤツなんですけどね。
わたしが一から十まで説明すれば済む話なんですけどね。
なんかそれじゃ意味がないような気がして。
しかも、自分に決定的な原因がある。
痛いのは、大変なのは、辛いのは、全面的に女。
せめて、危機感だけは持ってくれよと願うのでした。